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過眠症

[2023.03.13]

眠気を主訴とする患者さんを診察する機会が増えています。約15%の人が日中の強い眠気を感じていると報告されています。 十分な睡眠を摂っているにもかかわらず、日中に耐え難い過剰な眠気が出現する、もしくは無意識のうちに眠りに落ちている状態が3か月以上続くものを過眠症と呼びます。原因として、睡眠不足、睡眠時無呼吸症候群、睡眠の夜化型、うつ等の感情障害、薬剤の影響が挙げられますが、こうした夜間睡眠の量や質とは関連せず睡眠覚醒中枢の異常により、日中の過剰な眠気が3か月以上継続する睡眠疾患を中枢性過眠症といいます。 エプワース眠気尺度が11点以上で強い主観的眠気があると判断します。主観的評価であるため、個人の中での点数の推移を観察することに適しています。睡眠日誌を用います。

治療

睡眠衛生指導を徹底し、最低でも7時間以上の睡眠時間を毎日確保するよう指導します。覚醒のしにくさがあるため、仮眠時は深く眠り込まないように注意します。また夜型になりやすいため、朝日を積極的に浴びるよう指導します。気象困難や夜型傾向に対してはメラトニン作動薬が効果的であったという報告もあります。

眠りについての悩みがあって受診する場合、事前に記録した睡眠日誌を持参すると、診察がスムーズに進みます。 睡眠日誌は、寝床に入った時刻、眠りについた時刻、目を覚ました時刻、寝床から出た時刻など毎日の睡眠について記録します。昼寝や居眠りをした場合も書き込み、よく休めたか、日中の眠気があったかどうかなども記録します。睡眠日誌は、2週間程度、毎日書くことが大切です。 例えば、”起床後に書く”というように記録する時間を決めるなどしておくとよいでしょう。睡眠日誌は、自分の睡眠の状態を把握し、見直すことにもつながります。

精神科治療学 Vol29No12Dec2014

 

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