強迫症(強迫性障害)
強迫症(強迫性障害:OCD)は、頭から離れない不安な考え(強迫観念)と、その不安を打ち消すために繰り返してしまう行動(強迫行為)を主な症状とする精神疾患です。自分でも「やりすぎだ」とわかっていてもやめられず、日常生活や仕事に大きな負担が生じることがあります。
強迫症(OCD)とは
強迫症(Obsessive Compulsive Disorder:OCD)は、繰り返し浮かんでくる不安な考え(強迫観念)と、それによる不安を打ち消すために行う行動(強迫行為)を特徴とする疾患です。
強迫観念は「汚れているのではないか」「誰かに危害を加えてしまうのではないか」「戸締まりを忘れたのではないか」といった不安な考えとして現れます。それを打ち消すために、手洗いを繰り返す、何度も確認する、物をきれいに並べるなどの行動が続くことがあります。
多くの場合、ご本人も「やりすぎだ」と理解しているものの、不安が強いために行動をやめることができません。症状に多くの時間を費やすようになると、生活や仕事、人間関係に影響が出ることがあります。これらの症状は、本人の意思の弱さや性格の問題ではなく、病気による症状です。不安を抑えようとするほど、かえって考えや行動が強くなってしまうこともあります。
日常生活や仕事への影響
強迫症の症状は、日常生活や仕事に影響することがあります。確認や手洗いなどに時間がかかることで、外出や出勤が遅れたり、集中力が低下したりすることもあります。
- 外出前の確認に時間がかかり、出発できない
- 仕事中に確認行動が止められない
- 不安な考えが浮かび、集中できない
- 症状に多くの時間を費やしてしまう
- 周囲に理解されず、つらさを感じている
- 症状を隠そうとして疲れてしまう
症状が続くと、「自分がおかしいのではないか」と感じたり、人に相談できず一人で抱え込んでしまうこともあります。強迫症は治療によって改善が期待できる疾患であり、適切な対応を考えていくことが大切です。

「確認が止められない」「手洗いを何度もしてしまう」「不安な考えが頭から離れない」などのお悩みがある方は、一度ご相談ください。
原因・背景
強迫症の原因は一つではなく、脳機能の特性、遺伝的要因、心理的要因、環境要因などが複合して関係していると考えられています。脳内の神経回路の働き方が影響している可能性も指摘されています。
また、不安やストレスが強い時期に症状が悪化することもあります。強迫症のある方では、うつ病や不安症などを併発することも少なくありません。そのため、現在の症状だけでなく、生活状況や心理的背景を含めて丁寧に確認することが大切です。
診断について
強迫症の診断では、強迫観念や強迫行為の有無、症状に費やしている時間、日常生活への影響などを総合的に確認します。一般的には、症状に1日1時間以上費やしている場合や、生活に大きな支障が出ている場合に診断が検討されます。
また、身体疾患や他の精神疾患による症状ではないかを確認することも重要です。必要に応じて、これまでの経過や生活状況について詳しく伺いながら、総合的に評価していきます。
治療について
強迫症の治療では、薬物療法や認知行動療法(CBT)などが用いられます。症状の程度や生活への影響に応じて、複数の方法を組み合わせながら治療を進めていきます。
薬物療法
薬物療法では、主にSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)などの抗うつ薬が用いられることがあります。これらの薬は、脳内の神経伝達物質のバランスを整えることで、不安や強迫症状をやわらげる効果が期待されます。
症状の程度によっては、他の薬剤を併用する場合もあります。薬の効果や副作用には個人差があるため、医師と相談しながら調整していきます。
認知行動療法(CBT)
強迫症の治療では、認知行動療法(CBT)が有効とされています。その中でも「曝露反応妨害法(ERP)」と呼ばれる方法がよく用いられます。
曝露反応妨害法では、不安を引き起こす状況に段階的に向き合いながら、強迫行為を行わずに不安に対処する練習を行います。例えば、汚れていると感じる物に触れても手洗いを我慢するなど、不安が自然に下がっていく経験を積み重ねることで、症状の軽減を目指します。
相談の大切さ
強迫症は、「考えすぎ」「気にしすぎ」と誤解されやすい症状ですが、本人の意思とは関係なく生じる病気の症状です。一人で抱え込んでしまうと、症状が長引き、生活への影響が大きくなることもあります。
確認がやめられない、手洗いが止められない、不安な考えが頭から離れないなどのお悩みが続いている場合は、一度ご相談ください。症状の背景を整理しながら、生活に合った治療や対処法を一緒に考えていきます。
参考文献
飯倉康郎,他:強迫性障害治療のための身につける行動療法.岩崎学術出版社,2012.
中尾智博:強迫性障害の早期徴候と治療・対応.医学書院,2014.
中尾智博:強迫症/強迫性障害.DSM-5を読み解く.中山書店,2014.
※本ページは医学的知見および関連資料をもとに患者さん向けに再構成しています。実際の診断や治療は症状や生活状況に応じて個別に判断されます。
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