大人のADHDはなぜ起こる?主な原因とは
ADHD(注意欠如・多動症)は、生まれつきの脳の特性とされていますが、その背景にはいくつかの要因が関係していると考えられています。
主な原因
脳機能の働き・仕組み
ADHDの最も大きな原因として、脳の機能的な働き(神経伝達物質の不足)が挙げられます。脳内で情報を伝えるドパミンやノルアドレナリンといった物質の働きが不足気味であるため、脳の司令塔である前頭葉への情報伝達がスムーズにいかないと考えられています。これにより、物事を順序立てて実行したり、感情や行動をコントロールしたりすることが難しくなり、不注意や多動性といった特性が現れやすくなります。
遺伝的な要因
ADHDの特性には、生まれつきの遺伝的な先天的な体質が関係している可能性が高いことが分かっています。これは親から受け継がれる傾向(遺伝的要因)が一部に関係しているとされていますが、必ずしも親がADHDであれば子どもも必ずそうなるというわけではなく、遺伝だけで全てが決まるものではありません。
後天的な環境による影響(ストレス・家庭環境)
親の育て方や母親の愛情不足、本人の甘え、努力不足がADHDの原因になることは決してありません。これは医学的にも明確に否定されています。ただし、幼少期の家庭環境や強いストレス、社会人になってからの急激な環境の変化(業務量の増加や人間関係の悪化など)は、ADHDの特性を強く表面化させるきっかけ(増悪因子)になることがあります。元々の脳の特性に環境的なストレスが重なることで、生きづらさを感じやすくなります。
遺伝と環境の両方が関係する
大人のADHDは、遺伝的な要因(生まれつきの脳の体質)と、後天的な環境要因(日々の生活環境やストレスなど)のどちらか一方だけで引き起こされるものではありません。さまざまな要素が複雑に影響し合って、大人になってから症状として目立つようになることがほとんどです。そのため、「なぜ自分がこうなのか」と一つの原因だけで説明することは困難です。
ストレスや生きづらさが続くと心身に影響が出ることも
ADHDの特性(ミスが多い、遅刻してしまう、スケジュール管理が苦手など)によって、周囲からの叱責や強いストレスを感じる状態が続くと、心身に過度な負担がかかり、以下のような二次障害(不調)につながることがあります。
- 気分の落ち込みや憂うつ感が続く(二次的なうつ状態)
- 仕事や対人関係への不安・緊張が強くなる
- 眠れない・朝起きられない・疲れが取れない
- 自信をなくし、人と関わることがつらくなる
これらの状態が続く場合は、ADHDの特性そのものだけでなく、別の心の状態が引き起こされている可能性もあります。
ADHDと他の心の状態との違い
ADHDは生まれつきの発達障害であるのに対し、うつ病や適応障害、不安障害などは環境やストレスなどによって後天的に生じる医学的な精神疾患です。「自分は仕事ができないからADHDだ」と思って受診したら、実は過度なストレスによる適応障害やうつ病だったというケースも少なくありません。
また、ADHDの特性を持ちながら、うつ病などを併発しているケースもあります。特に以下のような場合は、一度専門家に相談してみることをおすすめします。
- 仕事や日常生活、家庭生活に大きな支障が出ている
- ケアレスミスや忘れ物による気分の落ち込みが長く続いている
- 自分でタスク管理や工夫(ライフハック)をしても改善しない
「ケアレスミスが多い」「片付けやスケジュール管理ができない」といったお悩みが、生まれつきの脳の特性(ADHD)によるものなのか、それともストレスによる心の不調(うつ病や適応障害など)によるものなのか、ご自身だけで判断することは非常に困難です。iこころクリニック日本橋では、問診や各種心理検査を通じた正確な診断と、一人ひとりに合わせた環境調整やお薬による治療を行っております。気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
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